CONCEPT — KINTONE EXCEL

kintone(キントーン)とは:できることと、Excel台帳との使い分け

Excel・SaaS運用 sento.group 編集部 · · 約7分

同時に書く人数、履歴が要るか、承認があるかの3つの問いで、Excelのまま残す台帳とkintoneへ移す台帳に分かれる判定図
図:3つの問いで、Excelのままか kintone へ移すかを分けます。

kintone(キントーン)とは、サイボウズ株式会社が提供する、プログラミングなしで業務アプリを作れるクラウドの業務改善ツールのことです。Excelの共有ファイルで顧客や案件の台帳を回していて、入れるか迷っている担当者向けに、公式で確かめた範囲のできることと、Excelのまま残す台帳と移す台帳の見分け方を書きます。

kintone(キントーン)とは何か

kintone(キントーン)とは、サイボウズ株式会社が提供する、プログラミングなしで業務アプリを作れるクラウドの業務改善ツールのことです。公式ページでは、思いついた改善を自分たちでアプリにし、顧客・案件・売上・進捗などの情報をチームで共有する、と説明されています。

読み手がいま持っているのは、共有フォルダのExcel台帳であることが多いです。顧客一覧、案件の進捗、備品の貸出、出張の申請。ファイル名に「最新」が付き、誰かが開いていると上書きできない。この状態で「kintoneを入れるか」を決めるときの材料を、この記事では台帳の具体例で書きます。

今のExcel台帳の列名と、そのファイルに書く人の人数を送れば、残す表と移す表の切り分けを一緒に見ます。

公式で確かめた範囲でできること

ここから先の機能名は、サイボウズの公式ページとヘルプで2026年10月25日に開いて確かめた範囲です。

  • アプリ:業務システム1つひとつの呼び方です。日報、案件管理、顧客管理、休暇申請など、業務の数だけ作れます。ドラッグ&ドロップではじめから作る、ExcelやCSVを読み込んで作る、サンプルから作る方法があります。
  • レコードとフィールド:1件のデータをレコード、氏名や住所などの項目をフィールドと呼びます。従業員名簿なら、1人の社員が1レコードです。一覧画面と、1件ずつの詳細画面があります。
  • プロセス管理:レコードの状態(ステータス)、今の担当(作業者)、次の状態へ進める操作(アクション)をアプリに載せます。申請して承認者がボタンを押す流れや、作業の進捗をレコードの上で回せます。
  • アクセス権:アプリ単位から、レコード1件、条件に合う行まで、閲覧・編集・削除をユーザーや組織ごとに分けられます。作成者や作業者だけが見られる、という設定もヘルプに載っています。
  • 変更履歴:いつ、誰が、どこを、どう変えたかを残せます。誤って直したときは、変える前の状態に戻せます。
  • コメントと通知:1件のレコードにコメントを書けます。プロセス管理の作業者には自分宛の通知が届きます。
  • グラフ:アプリに溜まったデータを集計してグラフにできます。
  • APIと拡張:公式の料金ページとFAQでは、ライトコースはプラグインとREST APIが使えず、スタンダードコース以上で使える、と書かれています。外部サービスとの連携やプラグインは、スタンダードコース以上の話です。

料金は公式ページで確認した範囲です。2026年10月25日時点の税抜価格は、ライトコースが1ユーザーあたり月額1,000円、スタンダードコースが月額1,800円、ワイドコースが月額3,000円です。ライトとスタンダードの最小ユーザー数は10、ワイドは1,000です。初期費用は無料、30日間の無料お試しがあります。お試し中はスタンダードコース相当です。出典は公式の料金ページです。

Excelのままでよい台帳と、移したほうがよい台帳

全部をkintoneに移す必要はありません。手元の台帳を1つ開き、次の3つに答えると、残すか移すかが分かれます。

  • 同時に書く人数は2人以上か:顧客台帳を営業3人が同じファイルに書き、保存のたびに上書きが起きるなら、移す側です。来月の展示会の予算を担当1人が関数で試算する表は、Excelのままです。
  • 履歴が要るか:在庫数を誰がいつ直したかを、後から説明しなければならないなら、移す側です。会議用に数字を並べただけの表は、履歴がなくても回せます。
  • 承認があるか:備品購入を申請し、上長が押してから発注するなら、移す側です。自分のメモや下書きに承認は要りません。

説明用の仮想例です。顧客台帳は3人で書き、最終更新者が分からない。備品購入はメールで「お願いします」と送り、誰が承認したかが残らない。一方、展示会の試算は担当1人が関数を組み、終わったら捨てる。最初の2つはkintoneのアプリとプロセス管理が向く台帳、最後はExcelのまま残す表です。

3つとも残す側なら、そのファイルはExcelのまま使います。1つでも移す側なら、その台帳だけを候補にします。シート全体の限界の見方は、スプレッドシートをデータベース代わりにしているときの記事に分けて書いています。

移す前にやること

入れると決めてからアプリを作る前に、今のExcelで3つだけやります。ここを飛ばして読み込むと、ゆれた値と、誰のものでもない列が、そのままアプリに入ります。

  • 列名を書き出す:今のシートの1行目を、別の紙か別シートに1列ずつ写します。「備考2」「新規」のように中身が分からない列は、直近1か月で誰かが書いたかを見ます。書いていない列は移しません。
  • 入力のゆれを数える:同じ「担当」列に「山田」「山田太郎」「Yamada」が混ざっていないかを、その列を並べ替えて数えます。同じ顧客が2行に分かれていないかも見ます。ゆれの数が多い列は、移すときに選択肢にする列です。
  • 持ち主を決める:その台帳の列を足してよいか、行を消してよいかを決める人を1人書きます。全員が持ち主だと、列が増え続けます。

この3つが紙に残ったら、最初の1台帳だけをアプリにします。全部のシートを一度に読み込まない。読み込む前に、列名と持ち主を社内の共有フォルダへ1枚で置きます。最初の1台帳の切り分けを短時間で見たいときは、TOC分析 5万円(2時間)から始められます。

入れても失敗する形

入れたあとで現場がExcelに戻るときは、アプリの機能不足より先に、移し方が壊れています。

  • Excelの表をそのまま写す:結合セル、見出しが2行、同じ意味の列が右端に増えている表を、読み込みだけでアプリにすると、入力のゆれが残ります。列名とゆれを数えてから移します。
  • 承認の流れをアプリに載せない:申請はkintone、承認はメール、結果は別のExcel、になると、最新がどれか分からなくなります。承認がある台帳は、プロセス管理のステータスを先に紙に書いてからアプリにします。
  • 権限を後回しにする:全員が全件を編集できる状態で使い始めると、消えた行の理由を追えません。最初の週に、見る人と書く人と消す人を分けます。
  • 持ち主がいない:列の追加を現場の各自に任せると、同じ意味のフィールドが週ごとに増えます。列を足してよい人を1人にします。

失敗のあとで「ツールが合わなかった」と片付ける前に、今の列名一覧と、書く人の人数を見直します。属人化した台帳の直し方は、属人化の記事に分けて書いています。

台帳の判断ルールを、担当者の頭から会社の一覧へ残す

「この列は営業だけが書いてよい」「このステータスは上長が押す」が、詳しい人の頭の中だけにあると、その人が休んだ日から誰もアプリを直せません。

アプリを1つ公開するたびに、アプリ名、残した列名、書く人、見る人、消してよい人、プロセス管理のステータス順を、会社の共有フォルダの同じ1枚に追記します。個人のデスクトップのメモには書かない。次の台帳を移すときは、その1枚を開いて、前回の列名と権限を見てから作ります。

ノーコードで現場アプリを作るときの選び方や、数字で決める進め方は、別の記事に分けています。

よくある質問

Q. kintone(キントーン)とは何ですか?

サイボウズ株式会社が提供する、プログラミングなしで業務アプリを作れるクラウドの業務改善ツールです。業務ごとにアプリを作り、1件をレコードとして持ちます。定義と特長の出典は公式の「kintoneとは」です。

Q. Excelと何が違いますか?全部を移すべきですか?

Excelは1人が試算・集計・下書きをする表に向きます。kintoneは、複数人が同じ台帳に書き、履歴や承認が要る業務に向きます。同時に書く人数、履歴、承認の3つを台帳ごとに見て、当たるものだけを移します。全部を一度に移す必要はありません。

Q. 移す前に何をしますか?

今の列名を1行ずつ書き出し、同じ列の入力のゆれを数え、その台帳の持ち主を1人決めます。この3つが紙に残ってから、最初の1台帳だけをアプリにします。

Q. 料金はいくらですか?

公式の料金ページ(2026年10月25日確認)では、税抜でライトコースが1ユーザーあたり月額1,000円、スタンダードコースが月額1,800円、ワイドコースが月額3,000円です。ライトとスタンダードは最小10ユーザー、ワイドは最小1,000ユーザーです。初期費用は無料で、30日間の無料お試しがあります。出典は公式の料金ページです。コースによるAPIとプラグインの違いは公式FAQにあります。

Q. Excelの表を読み込めば終わりですか?

読み込みは公式でも案内されていますが、結合セルやゆれた入力が残ったままアプリになると、現場はまたExcelに戻ります。列名・ゆれ・持ち主を書いてから、最初の1台帳だけを読み込みます。

今のExcel台帳を1つ選んで、残すか移すかを見る

台帳の列名と、書く人の人数を書いて送ってください。残す表と移す表の切り分けをお返しします。最初の1台帳を決めるTOC分析は5万円(2時間)です。継続して台帳を移す支援は、範囲と体制で変わるため個別にお見積りします(概算です。詳細はお見積りで)。

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