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AI-OCRとは:選び方と導入の進め方は、読み取りの精度より「読んだ後」で決まる

AI活用・自動化 sento.group 編集部 · · 約6分

帳票を読み取る前に決める種類と枚数、読み取り、照合と人の確認、会計ソフトなどへの転記までを左から右へ並べ、手間が残るのは読んだ後の工程だと示した図
図:手間が残るのは、読み取りの後の照合・確認・転記です。

AI-OCRとは、請求書・注文書・申込書などの紙やPDFの帳票から、AIで文字を読み取り、取引先名・日付・金額などの項目に分けてデータにする仕組みです。導入して手間が減るかは、読み取りの精度だけでなく、読んだ後の確認と転記をどう組むかで決まります。

AI-OCRとは:従来のOCRとの違い

OCRは、画像の中の文字を読み取ってテキストにする技術です。従来のOCRは、帳票ごとに「この位置に金額がある」と読み取る場所を指定して使うことが多く、取引先ごとに様式が違う請求書では設定の手間がかかりました。

AI-OCRは、AIが帳票の中から「請求金額」「発行日」「取引先名」などの項目を見つけて読み分けるため、様式が揃っていない帳票にも使いやすくなっています。最近は、画像を読める生成AIに帳票を渡して項目を取り出すやり方も選べます。

どの方式でも、読み取った結果に間違いがゼロになるとは限りません。そのため、AI-OCRの導入は「読み取り」だけでなく、読んだ後の確認と転記までを1つの工程として組みます。いま帳票の転記に毎月どれくらい時間がかかっているかを書いて送ってもらえれば、どこから手をつけるかを一緒に決めます。

選ぶ前に決める3つのこと

サービスの比較表を見る前に、次の3つを紙1枚に書きます。ここが決まると、比べる項目が自社の条件に絞れます。

  • 読む帳票の種類と月の枚数:請求書、注文書、納品書、申込書のどれを、月に何枚読むか。取引先が何社あり、様式が何種類あるかも書きます。
  • 読んだデータをどこに入れるか:会計ソフト、販売管理、Excelの台帳など、入れる先と、その先が受け取れる形(取り込み用の表、API)を書きます。
  • 誰がどこまで確認するか:読み取った結果を、全部見るのか、外れたものだけ見るのか。確認する人の名前と、確認に使える時間を書きます。

3つ目が決まっていないと、読み取りは速くなっても、確認の時間がそのまま残ります。導入前より手間が減ったかは、読み取りから転記までの合計の時間で比べます。

人の確認を減らす照合の組み方

読み取った結果を全部目で見ていると、手で打ち込んでいたときと手間があまり変わりません。機械で確かめられるところを先に確かめ、外れたものだけを人が見る形にします。

  • 合計の検算:明細の金額を足した結果と、帳票に書かれた合計が一致するかを確かめます。
  • マスタとの照合:取引先名や品目を、自社の取引先マスタ・品目マスタと照らします。表記ゆれで一致しないものは、名寄せのルールで寄せます。
  • 注文との突き合わせ:請求書なら、発注や納品の記録と金額・数量が一致するかを確かめます。
  • 人が見るもの:上の照合で外れたもの、読み取りの確からしさが低いと出たもの、初めての取引先の帳票。

照合に使う取引先マスタが部署ごとにばらばらだと、正しく読めていても「一致しない」が増えます。マスタの揃え方は「マスタが部署ごとにバラける問題」に、表記ゆれの寄せ方は「名寄せ」に書いています。

試すときは、本番の帳票で

きれいにスキャンした数枚で試すと、どのサービスもよく読めるように見えます。本番で手間が残るかは、状態の悪い帳票で決まります。

  • 混ぜる帳票:かすれた印字、手書きの欄、ファックスで届いたもの、スマホで撮った斜めの写真、複数ページの請求書。
  • 数えるもの:読み取りを人が直した件数と、直すのにかかった時間。項目ごと(金額、日付、取引先名)に分けて数えます。
  • 本番に進む条件:金額・取引先名・日付のうち、直した件数をどこまで許せば今の手入力より速いかを、確認する人と一緒に決めて書きます。

読み取りの正しさの数字は、帳票の種類と状態で大きく変わります。サービスの紹介資料の数字ではなく、自社の本番の帳票で数えた結果で比べます。

試した結果をどう判定すればいいか迷うときは、試した帳票の種類と直した件数を送ってください。本番に進めるかの判断と、照合で減らせる確認を一緒に見ます。

読んだ後の転記と連携

読み取ったデータを人がもう一度会計ソフトに打ち込んでいるなら、転記の手間は残ったままです。入れる先が受け取れる形に合わせて出力します。

  • 取り込み用の表で入れる:会計ソフトや販売管理の取り込み用の表(CSV)の列に合わせて出力します。文字コードや日付の書き方が合わないと、取り込みで失敗します。
  • APIでつなぐ:入れる先がAPIを公開していれば、読み取りから登録までを人の操作なしでつなげます。
  • 元の帳票を残す:データにした後も、元の画像やPDFを、データと同じ番号で辿れる場所に置きます。

取り込み用の表で文字化けする場合は「CSV文字化けの直し方」に、システム同士のつなぎ方は「API連携」に書いています。

サービスを比べる項目

3つの答えが書けたら、候補のサービスに同じ質問をして、答えを同じ表に並べます。

  • 自社の帳票の種類(請求書、注文書、手書きの申込書など)を、設定なしで読めるか。設定が要るなら、誰がどれくらいの手間で設定するか。
  • 確認の画面で、読み取った値と帳票の画像を並べて見られるか。直した内容が記録に残るか。
  • 出力の形が、入れる先の取り込み用の表やAPIに合うか。
  • 帳票の画像と読み取ったデータが、どこに、どれくらいの期間保管されるか。
  • 料金の数え方(枚数、項目数、利用者数)と、自社の月の枚数での金額。金額は各社の公式の料金ページで確かめます。

紙を減らす方が早い場合

読み取りを入れる前に、そもそも紙やPDFで受け取らなくて済む帳票がないかを確かめます。

  • 取引先が電子で送れる:請求書を取り込める形の電子データで送ってもらえるなら、読み取り自体が要りません。
  • 社内の申請や申込:紙の申込書は、入力の形が決まったフォームに置き換えると、読み取りも確認も要らなくなります。
  • 枚数が少ない帳票:月の枚数が少なく、様式が揃っているなら、仕組みを入れるより今の手順を整える方が早いことがあります。

フォームの置き換え方は「フォーム入力がバラバラで後工程が地獄になる問題」に、証憑の置き場所の揃え方は「領収書・証憑がフォルダに埋もれる問題」に書いています。

sento.groupに頼む場合

sento.groupは、いまの転記の手順を帳票ごとに分け、どこで時間がかかっているかを確かめてから、照合のルールと入れる先への出力を組みます。取引先マスタの揃え方や照合のルールは、担当者が変わっても続くように手順書として残します。入口は、読む帳票が決まっているかで分かれます。

  • 読む帳票や、手間が残っている工程がまだ決まっていない:2時間のTOC分析(5万円(2時間))から始めます。
  • 帳票と入れる先は決まっていて、照合の仕組みや連携を外に頼みたい:範囲とチーム構成で変わるため、個別にお見積りします。

読みたい帳票の種類と月の枚数、入れる先のソフトの名前を書いて送ってください。読み取りと照合のどこから始めるかの案をお返しします。

よくある質問

Q. AI-OCRと普通のOCRは何が違いますか?

従来のOCRは、帳票ごとに読み取る位置を指定して使うことが多い技術です。AI-OCRは、AIが帳票の中から金額や日付などの項目を見つけて読み分けるため、取引先ごとに様式が違う帳票にも使いやすくなっています。

Q. 手書きの帳票も読めますか?

読めるサービスは多くありますが、字の癖やかすれ具合で結果が変わります。自社の本番の手書き帳票で試し、人が直した件数を数えてから決めます。

Q. 読み取りの精度は何%くらいですか?

帳票の種類と状態で大きく変わるため、一律の数字では比べられません。かすれ・手書き・写真を含む自社の本番の帳票で試し、項目ごとに直した件数を数えて比べます。

Q. 画像を読める生成AIに渡すだけで足りますか?

枚数が少なく、毎回人が結果を見るなら、それで始められる場合があります。月の枚数が多い場合は、合計の検算やマスタとの照合、入れる先への出力まで組めるかで選びます。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

サービスごとに、枚数・項目数・利用者数など料金の数え方が違うため、各社の公式の料金ページで、自社の月の枚数に当てはめて確かめます。sento.groupに頼む場合、読む帳票や工程がまだ決まっていなければ2時間のTOC分析(5万円(2時間))から始めます。仕組みづくりの支援は範囲とチーム構成で変わるため、個別にお見積りします。

読みたい帳票と、入れる先のソフトで相談する

帳票の種類と月の枚数、入れる先のソフトの名前を書いて送ってください。読み取りと照合のどこから始めるかの案をお返しします。

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