CONCEPT — IMPROVEMENT CONSULTING
業務改善コンサル:頼むと何をしてくれるか、選び方と自社でやる場合との分かれ目
業務改善コンサルとは、社外の専門家が自社の業務の手順とかかっている時間を調べ、どこを変えるかと新しい手順を決め、社内で回るようになるまで手伝う支援のことです。頼む前に、改善したい業務と決める人を社内で決めておくと、受け取るものがはっきりし、自社でやるべきかどうかも判断できます。
業務改善コンサルに頼むと、受け取るものは4つ
業務改善コンサルの仕事は、会社によって呼び方が違っても、最後に社内に残るものは次の4つにまとまります。見積や提案を見るときは、この4つのどれが入っているかを確かめます。
- 今の手順を書いた業務フロー図:誰が、どの順番で、どの画面や紙を使って仕事を進めているかを1枚にしたもの。担当者に聞き取り、実際の画面を見ながら書きます。
- どこで何時間かかっているかの表:手順ごとに、月に何回、1回あたり何分かかっているかを並べたもの。改善する前の数字になります。
- 最初に変える1か所と、変えたあとの手順:表の中で一番時間がかかっている、または次の人を待たせている手順を1つ選び、変えたあとの手順書を書いたもの。
- 効いたかを測る数字と測る日:変えたあと、どの数字がいくつになれば成功かと、それをいつ誰が測るかを決めたもの。
4つのうち、どれを社外に頼み、どれを社内で作るかで、頼む範囲と費用が変わります。業務フロー図の書き方は「業務フロー図」の記事で、手順の洗い出し方は「業務棚卸し」の記事で書いています。
改善したい業務がすでに1つ決まっていれば、それを書いて送ってください。TOC分析で、その業務のどこが一番詰まっているかを見ます。
頼む範囲は3段で切れる
業務改善コンサルに頼む範囲は、測って整理する・変える場所と手順を決める・実行して定着させるの3段に切れます。社内に人と時間がある段は、自社で持ちます。
- 測って整理する:今の手順を聞き取り、業務フロー図と時間の表を作るところまで。社内に時間を測る人がいないときに頼みます。終わると、改善する前の数字が残ります。
- 変える場所と手順を決める:表から最初に変える1か所を選び、変えたあとの手順書と、効いたかを測る数字を決めるところまで。どこから手をつけるかで社内の意見が割れるときに頼みます。
- 実行して定着させる:新しい手順で実際に回し、測った数字を見て直し、手順書を社内の担当者が直せるようにするところまで。部署をまたいで手順を変えるときや、途中で止まった経験があるときに頼みます。
3段目まで頼む場合も、2段目までに作った業務フロー図・時間の表・手順書は、社内の共有フォルダに置いてもらいます。契約が終わったあとも、社内で次の改善に使えるからです。
頼む前に、社内で決める5つ
相談の前に次の5つを決めておくと、コンサルの提案を同じ物差しで比べられ、最初の打ち合わせから自社の業務の話ができます。
- 改善したい業務を1つ:「受注の入力」「月末の請求書づくり」のように、業務の名前で書きます。「業務全体の効率化」のままでは、提案が会社ごとにばらばらになります。
- 今の時間を測る人:その業務に月何時間かかっているかを、2週間測る人の名前を書きます。
- 決める人と、毎週の時間:手順を変えてよいかを決める人の名前と、毎週30分の打ち合わせに出られる曜日を書きます。
- 現場で協力する人:聞き取りや画面の確認に付き合う担当者と、その人の業務をその時間だれが代わるかを書きます。
- 変えてよい範囲:手順だけを変えるのか、使っているシステムやExcelの形も変えてよいのかを書きます。
5つのうち「決める人と、毎週の時間」が書けない場合は、頼む前にそこを決めるのが先です。コンサルが変える場所を見つけても、決める人が動けないと、手順は変わりません。
自社でやるか、頼むかの分かれ目
改善したい業務を1つ書いたら、次の3つの問いに順に答えます。3つとも「はい」なら、まず自社で進められます。
- その業務の時間を、社内で2週間測れるか。「いいえ」なら、測って整理するところを頼みます。
- 1つの部署の中で、手順を変えられるか。「いいえ」(ほかの部署の入力や承認が絡む)なら、部署をまたぐ整理を頼みます。
- 決める人が、毎週30分を空けられるか。「いいえ」なら、頼む前に決める人の時間を取ります。ここが空いていると、頼んでも進みません。
自社で進める場合は、ECRS(なくす・まとめる・入れ替える・簡単にする)の4つの順で、時間の表の上から手順を見直します。
国の無料の相談窓口もあります。中小企業基盤整備機構の「よろず支援拠点」は、国が設置した経営相談の窓口で、各都道府県にあり、何度でも無料で相談できます。2026年4月1日からは各拠点に「生産性向上支援センター」が置かれ、計10回程度を想定した現場訪問型の支援を行うと案内されています。
3つの問いのどこで「いいえ」が出たかが分かったら、改善したい業務と一緒に送ってください。頼む部分と自社で持つ部分の分け方をお返しします。
選ぶときに、相談で聞く6つの質問
業務改善コンサルの会社を選ぶときは、実績の数や知名度より、自社の業務に何をしてくれるかを聞きます。同じ質問を複数の会社にして、答えを同じ表に並べます。
- 最初の2週間で、何をしますか。誰に、何時間の聞き取りが要りますか。
- 受け取るもの(業務フロー図・時間の表・手順書・測る数字)の見本を、社名を伏せた形で見せてもらえますか。
- 実際に来る担当者は誰で、何社を同時に見ていますか。
- 契約が終わった日に、社内に何が残りますか。手順書は社内の担当者が直せる形ですか。
- ほかの部署が絡む手順は、どう進めますか。決める人が複数いるときはどうしますか。
- 料金は、期間・訪問の回数・受け取るもののどれで決まりますか。途中で範囲を変えたら、どう変わりますか。
答えが「御社に合わせて」だけで具体的な作業が出てこない場合は、頼む前に社内で決める5つのどれかが空いていないかを見直します。外部の支援会社に頼むときの考え方は、AI導入の場合も同じで、「AI導入支援の選び方」でも書いています。
料金は、範囲と受け取るものをそろえて比べる
業務改善コンサルの料金には定価がなく、期間で決める形、毎月の契約、時間単位のものなどがあります。公開されている「相場」の多くは調べ方や件数が示されていないため、金額だけを並べても比べられません。
- 範囲をそろえる:3段(測って整理する・変える場所と手順を決める・実行して定着させる)のどこまでの見積かを書いてもらいます。
- 受け取るものをそろえる:4つ(業務フロー図・時間の表・手順書・測る数字)のどれが入っているかを、見積の行に分けてもらいます。
- 社内の手間をそろえる:聞き取りや打ち合わせに、社内の誰が月何時間出る前提かを書いてもらいます。社内の手間が少ない見積は、その分の作業がどこかで抜けていないかを見ます。
sento.groupに頼む場合の入口はTOC分析です。TOC分析は、業務のどこが一番詰まっているかを1か所に絞る分析で、5万円(2時間)です。決める人と話し、最初に変える1か所と、その後の順番を1枚の図にします。継続の支援は、範囲と体制で変わるため個別にお見積りします(概算です。詳細はお見積りで)。
改善した手順書と数字を、会社の共有フォルダに版番号付きで置く
改善した手順書や測った数字が、担当者のPCやコンサルの報告書の中にだけあると、担当者が替わったときに元の手順に戻ります。
手順を変えた日に、会社の共有フォルダの業務ごとの場所へ、変える前と変えたあとの手順書を版番号を付けて並べて置きます。同じ場所の1つの表に「測った日・数字・測った人」を毎月1行ずつ足します。
次に改善する業務を選ぶときは、このフォルダを開いて、前の改善で数字がどう動いたかと、元の手順に戻っていないかを見てから決めます。コンサルに頼む場合も、報告書と一緒に、手順書と数字の表をこのフォルダに置いてもらいます。
よくある質問
Q. 業務改善コンサルは、何をしてくれますか?
今の手順を聞き取って業務フロー図にし、どこで何時間かかっているかを表にし、最初に変える1か所と変えたあとの手順を決め、効いたかを測る数字と測る日を決めます。頼む範囲によっては、新しい手順で回して定着させるところまで手伝います。
Q. 小さな会社でも、業務改善コンサルに頼む意味はありますか?
3つの問い(社内で時間を測れるか、1つの部署で手順を変えられるか、決める人が毎週時間を空けられるか)で「いいえ」が出た部分があれば、その部分だけを頼む意味があります。全部が「はい」なら、まず自社で進め、詰まったところで相談します。
Q. 費用の相場はいくらですか?
定価はなく、範囲・期間・受け取るものによって大きく変わります。公開されている相場の数字の多くは調べ方が示されていないため、3段のどこまでか、4つのどれを受け取るかをそろえた見積を並べて比べます。sento.groupの入口のTOC分析は5万円(2時間)で、継続の支援は個別にお見積りします。
Q. 無料で相談できる窓口はありますか?
国が設置している「よろず支援拠点」は、中小企業・小規模事業者などの経営相談に何度でも無料で応じる窓口で、各都道府県にあります。2026年4月からは拠点内に生産性向上支援センターが置かれています(J-Net21の案内。2026年10月29日に確認)。
Q. コンサルが帰ったあと、元の手順に戻らないようにするには?
変えたあとの手順書を、社内の担当者が自分で直せる形で共有フォルダに置き、効いたかを測る数字を毎月1行ずつ足します。数字が元に戻り始めたら、その月のうちに手順書のどこが守られていないかを確かめます。
改善したい業務を1つ書いて、TOC分析で見てもらう
改善したい業務の名前と、今その業務にかかっている月の時間を書いて送ってください。TOC分析5万円(2時間)で一番詰まっている1か所を決めるか、自社で進められる部分がどこかをお返しします。