CONCEPT — DATA OPERATIONS

データオペレーションとは

データ基盤・連携 sento.group 編集部 · · 約9分

中央に「判断と次の行動」があり、その周りを集める、整える、見る、動く、更新する、の五つの段階が時計回りの矢印でつながる。集めるは散らばった表計算ファイルや業務の道具から必要なものだけ、整えるは番号と言葉の意味と担当を揃える、見るは判断に効く数字を一覧にする、動くは担当と期限を決めて実行する、更新するは例外と訂正を元のデータと定義へ戻す。右の注記は、データ基盤や集計画面や人工知能は途中の道具で、完成の基準は一回分の判断と次の行動が起きたこと、と示す。
図:データオペレーションの五つの段階。どこかで途切れたら、その段階を直して輪を回し続けます。

データオペレーションとは、散在するデータと業務の流れを整え、必要な人が必要なときに根拠を持って判断し、動ける状態を保ち続ける仕事です。データを集める・整える・見る・動く・更新する、の五つを一つの流れとして扱い、どこかが途切れたら直します。たとえば10時からの会議に向けて、9時半になっても各部署から数字が届かず、資料ができても「この売上は何を数えているの?」で議論が止まる、という場面があります(説明用の仮想例です)。データオペレーションが扱うのは、こうした仕事の途中にあるつながりです。

データオペレーションとは:判断までの流れを、業務として回すこと

データオペレーションとは、散在するデータと業務の流れを整理し、必要な人が、必要なときに、根拠を持って動ける状態をつくり続けることです。sento.groupでは、この仕事を担う立場をデータオペレーションカンパニーと呼んでいます。

データベースを置く、ダッシュボードを作る、AIを入れる。それぞれに役割があります。ただ、数字を見た後に何をするかが決まっていなければ、仕事は途中で止まります。道具の完成と、業務が回ることは分けて確認する必要があります。

たとえば営業案件の一覧に、金額と進捗に加えて「最後に顧客と話した日」が入ると、止まっている案件を探せます。さらに担当者と次の連絡日が決まれば、会議の後の行動につながります(説明用の仮想例です)。必要な項目は、その会社が実際に行う判断から決まります。

流れが途切れる主な原因は、つなぎ目の持ち主がいないことです。部署ごとに表を持ち、同じ「売上」でも受注日で数えるか請求日で数えるかが違い、会議で見つかった誤りは資料の上だけで直される。どれも一つずつは小さなことですが、誰の仕事でもないため、毎月同じ確認が繰り返されます。

なお、データオペレーションという言葉は、英語のDataOps(データ分析の流れを自動化と検証で速く安定させる方法論)の訳として使われることも、営業実績のデータやレポート、データの品質を受け持つ職種の名前として使われることもあります。この記事では、その両方を含みつつ、現場の判断と行動までを一つの仕事として扱います。

毎月作っている資料や、会議の前に数字を集めている仕事を1つ書いて送っていただければ、どの段階で途切れているかを一緒に確かめます。最初の1業務を決めるTOC分析は5万円(2時間)です。継続支援は範囲とチーム構成で変わるため、個別にお見積りします。

五つの段階:集める・整える・見る・動く・更新する

データオペレーションでは、データが判断と行動に届くまでを五つの段階に分けて見ます。どの段階で途切れているかによって、手を打つ場所が変わります。

  • 集める:散らばったExcelやSaaSから、判断に必要なものだけを取り出す。全部を集めることは目的にしない。
  • 整える:同じ顧客や案件を同じ番号で見分け、言葉の意味と更新の担当をそろえる。
  • 見る:判断に効く数字を一覧や画面にする。誰が、いつ、何を決めるために見るかを先に決める。
  • 動く:判断の結果を、担当と期限のある行動にする。画面から元の記録へ辿れるようにする。
  • 更新する:例外や訂正を、元のデータや定義へ戻す。同じ確認を繰り返さないための段階。

見落とされやすいのは、最後の「更新する」です。会議で見つかった数字の誤りを、資料の上だけで直して終えると、翌月も同じ確認が発生します。

DataOps・データ基盤・BI・データマネジメントとの違い

データオペレーションは、データ基盤構築やBI導入、データマネジメントと組み合わせて使います。それぞれが受け持つ範囲が違います。

横に集める、整える、見る、動く、更新するの五つの段階が並び、その下に各取り組みが受け持つ範囲が帯で示される。データ基盤構築は集めると整える、集計画面・ダッシュボードは見る、データマネジメントは方針・品質・権限などのルールとして整えるから更新までにまたがる。データオペレーションは五つ全部を、業務の中で一つの流れとして回す帯として一番下に描かれている。
図:取り組みごとに受け持つ範囲の違い。データオペレーションは、五つの段階を業務の中で一つの流れとして回します。
  • データ基盤構築:データの置き場所と取り込みの仕組みを作る。主に「集める」「整える」の土台です。
  • BI・ダッシュボード:数字を見える形にする。主に「見る」を受け持ちます。
  • データマネジメント:データを会社の資産として扱うための方針・品質・権限などのルールと体制を整える取り組みです。
  • データオペレーション:これらを使いながら、業務の中で「動く」「更新する」までを一つの流れとして回し続けます。

英語のDataOpsは、主にデータ分析基盤のデータの流れを、開発と運用の両面から速く安定して回すための手法を指して使われます。言葉は近いですが、sento.groupがいうデータオペレーションは、現場の業務と判断の側まで含めて扱います。

いまの会社で足りない段階を見つけて、そこを埋めると考えると、進め方を決めやすくなります。

誰が担うか:段階ごとに持ち主を決める

データオペレーションは、判断する人、定義と更新を持つ人、つなぐ人、回す人の四つの役割で回します。段階ごとに、誰がどの役割を持つかを決めます。小さな会社では一人が複数を兼ねて構いません。

  • 判断する人:その数字を見て何を決めるかを持つ。会議の主催者や部門の責任者が多い。
  • 定義と更新を持つ人:項目の意味、正とする値、直す手順を持つ。日々その記録を入力している部署の人が向いています。
  • つなぐ人:表やシステムの間の受け渡し、集計や画面を作って保つ。社内の担当者でも外部でも構いません。
  • 回す人:例外や訂正を受け取り、元のデータと定義へ戻るまでを見届ける。データオペレーションの担当者と呼ばれるのは、主にこの役割です。

求人で使われるデータオペレーションの職種も、レポートの作成に加えて、データの品質の見張り、手順や文書の整備、自動化までを受け持つ形で書かれていることがあります。つなぐ人と回す人を兼ねる仕事だと考えると分かりやすくなります。

役割が決まらないまま進めると、詳しい一人に問い合わせと手直しが集まり、その人が休むと流れが止まります。誰が何を決めるかの書き方は、次の記事で扱っています。

集める・整える段階でつまずきやすいこと

最初の二つの段階では、データが部署ごとの島になっていること、同じ相手を同じものと見分けられないこと、言葉の意味がそろっていないことが、よくある詰まりどころです。

同じ顧客を何で見分けるか、どの値を正とするか、という取り決めがないまま集めると、違う意味の数字が速く届くようになるだけです。次の記事で、それぞれの詰まりの解き方を解説しています。

見る・動く段階でつまずきやすいこと

数字がそろっても、見る人と決めることが決まっていなければ、画面は開かれなくなります。開かれても、判断の後の行動につながらなければ、仕事は変わりません。

この段階では、誰が・いつ・何を決めるかを、画面を作る前に書いておくと効きます。sento.groupでは、最後に起きてほしい行動から逆算するIPOAの考え方を使います。

会議で毎回見ている数字の名前と、それを見て決めていることを1行ずつ書いて送っていただければ、見る数字と動く担当の組み合わせを整理します。

更新する段階:続けるための仕組み

一度そろえたデータも、担当者の異動、ツールの入れ替え、取引先の変更で少しずつ崩れます。崩れたときに気づき、直す人と手順が決まっていることが、データオペレーションを続ける条件です。

毎月の締めのように、決まった周期で同じ確認が発生する業務は、更新の仕組みを作る最初の対象に向いています。

続いているかを確かめる:段階ごとの10のチェック項目

データオペレーションは、数か月後も回っているかで評価します。次の10項目を、一周目を回した仕事について確かめてください。「いいえ」が付いた段階が、次に直す場所です。

  • 集める:判断に使うデータの出典(どのファイル・どの画面か)が、一覧の横に書いてある。
  • 集める:集める作業を誰がいつ行うかが決まっていて、担当が休んでも代わりの人が分かる。
  • 整える:同じ顧客や案件を、部署をまたいで同じ番号で見分けられる。
  • 整える:「売上」「受注」など、会議で使う言葉の数え方が一か所に書いてある。
  • 見る:その画面や資料を、誰が・いつ・何を決めるために見るかが一文で言える。
  • 見る:画面の数字から、元の記録まで辿れる。
  • 動く:会議で決まったことに、担当と期限が付いて記録されている。
  • 動く:前回決まった行動が実行されたかを、次の会議で確かめている。
  • 更新する:会議で見つかった数字の誤りが、元のデータや定義の側で直されている。
  • 更新する:定義や手順を変えたとき、いつ・誰が・なぜ変えたかが残っている。

英語のDataOpsでは、データの流れに自動のテストや見張りを入れて、異常をすぐに見つける方法がよく紹介されます。仕組みがまだ表計算ファイル中心の会社でも、この10項目を月に一度見直すだけで、どの段階が崩れ始めているかに早く気づけます。

始め方:一つの仕事で一周させる5つの手順

最初の対象は「毎月の売上集計」「週次の案件会議」「請求前の確認」など、始まりと終わりが分かる仕事を一つ選びます。そのうえで、次の順に進めます。

  • 仕事を一つ選ぶ:誰が・いつ・何を決めるかを一文で書く。
  • 行動から逆算する:その判断の後に起きてほしい行動から、必要な一覧と数字を決める。
  • 通り道を辿る:使うファイル、画面、確認のやり取りを元の場所まで辿り、途切れる箇所を探す。部署ごとのレーンに分けた業務フロー図にすると、受け渡しの切れ目が見えます。
  • 小さく整えてつなぐ:番号・定義・担当をそろえ、必要な範囲だけをつなぐ。
  • 一周回して戻す:実際の一回分で動かし、見つかった例外を定義や元データへ戻す。

既存のExcelやSaaSを残すこともあります。必要なのは、同じ対象を同じ意味で扱い、更新と確認を続けられることです。

AIを加える場所も、流れの途中から考える

文章の整理や問い合わせの分類をAIに任せる場合でも、参照する情報と、任せてよい判断の範囲は必要です。計算式で確定できる処理、AIが下書きする処理、人が承認する処理を分けます。

流れの全体が整うのを待ってからAIを足す必要はありません。たとえば問い合わせの分類だけをAIに下書きさせ、人が直した箇所を記録していくと、辞書や判断基準のどこが足りないかが見えてきます。評価するのは、分類の正しさと、その結果を受けた担当者が次の対応に移れたかどうかの2つです。

一周目の範囲を決めるときの目安

最初の一周は、関わる部署が二つ以内で、判断の頻度が週一回以上ある仕事を選ぶと、変化を確かめやすくなります。月に一度しか起きない判断では、手順を直しても効果が分かるまでに時間がかかるためです。

sento.groupが伴走する場合も、棚卸し・項目と更新責任の整理・連携や可視化の実装・運用の確認のうち、その一周に要る部分だけを選びます。「どの判断が、いつ、どう変われば成功か」を先に一文で合意しておくと、範囲が広がりすぎるのを防げます。

よくある質問

Q. データオペレーションカンパニーとは何ですか?

sento.groupが掲げる会社の立ち位置です。散在するExcel・SaaS・業務フロー・人のサイロを整理し、データ基盤・AI・自動化・業務設計を組み合わせ、業務プロセスとして運用し続けられる形に整えます。

Q. データオペレーションとDataOpsは同じですか?

言葉は近いですが、扱う範囲が違います。DataOpsは主にデータ分析基盤のデータの流れを、開発と運用の両面から速く安定して回す手法を指します。たとえばSplunkの解説は、自動化を通じてデータの品質・速度・組織内の連携を高める手法として説明し、自動テストや構成管理を仕組みに挙げています。sento.groupのいうデータオペレーションは、現場の業務と判断、その後の行動と更新まで含めて扱います。

Q. データマネジメントとの違いは何ですか?

データマネジメントは、データを資産として扱うための方針・品質・権限などのルールと体制を整える取り組みです。データオペレーションは、そのルールも使いながら、日々の業務の中でデータを判断と行動まで届け続ける仕事です。

Q. データオペレーションではまず何から始めますか?

始まりと終わりがはっきりした仕事を一つ選び、誰が・いつ・何を決めるかを一文にします。そこから必要な数字を逆算し、データの通り道を辿って、途切れている箇所から整えます。

Q. データオペレーションの担当者は、どんな仕事をしますか?

決まった周期でデータを集めて資料や画面に出すことに加えて、数字の誤りや例外を受け取り、元のデータと定義へ戻るまでを見届けます。定義そのものは日々その記録を入力する部署が持ち、担当者は部署をまたいだ受け渡しと、直すべき場所への振り分けを受け持つ形が回りやすくなります。

Q. うまく回っているかは、どう確かめればよいですか?

判断と行動が起きたかで確かめます。会議で決まったことに担当と期限が付いているか、見つかった誤りが元のデータで直されているか、など本文の10のチェック項目を、一周目を回した仕事について月に一度見直してください。

Q. データ基盤がなくても始められますか?

始められます。最初の一周は、既存のExcelやSaaSのままで回すことも多くあります。一周回してみて、集める・整えるの段階で手作業が重いと分かったところに、基盤を足していきます。

Q. AIを導入したいのですが、データオペレーションは必要ですか?

AIの出力を担当者個人の工夫で終わらせず、毎日の仕事に組み込むなら必要です。AIが参照する辞書や過去の記録、任せる判断の範囲、出力を受け取る人と確認の手順は、データオペレーションの設計そのものだからです。小さな業務で一周させながら、両方を同時に整えるのが現実的です。

毎月作っている資料を1つ挙げてください

資料の名前と、それを見て決めていること、数字を集めている人の役割を書いて送ってください。どの段階で途切れているかを確かめ、最初に一周させる範囲を決めます。最初の1業務を決めるTOC分析は5万円(2時間)です。

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